以前に、動物実験で1日2回注射のGLP-1受容体作動薬エキセナチドでパーキンソンモデル動物で、認知症の低下を抑えるという結果が出ていました。また、人の観察研究でGLP-1受容体作動薬やDPP-4阻害薬で治療した人はパーキンソン病の進行が他の薬で治療した人に較べて遅かったという結果が出ています。

 2024年4月4日付のNEJMにLIXIPARK試験の結果が発表されました。これは2型糖尿病で軽症のパーキンソン病を有する患者156名が参加して行われた、プラセボを対象としたランダム化二重盲検試験です。本試験は12か月間の試験期間で行われた第2相臨床試験です。リキセナチドは1日1回毎日注射するタイプのGLP-1受容体作動薬です。この試験の結果は、リキセナチドの群はプラセボの群に較べて運動機能の障害の進行をゆっくりにさせるという結果が得られました。しかし、参加人数が少ないこと、観察年数が短いことがあり、さらなる研究が待たれます。