糖尿病検査
糖尿病の診断
血糖値とへモブロビンA1cの値を見れば、糖尿病の診断ができるわけではありません。
糖尿病だといわれていた方でも、きちんと調べて見ると糖尿病ではなかったということが、当院ではよくあります。
当院で可能な、主な糖尿病の検査
血液検査:へモブロビンA1c(エー・ワン・シー) 略号:HbA1c
糖尿病の、もっとも基本的な評価項目です。血液検査で行います。
血糖の検査では、採血したタイミングの血糖値しかわかりません。
しかし、HbA1cは採血までの約1~2ヶ月の血糖値の状態を知ることができます。
ヘモグロビンは赤血球の紅い蛋白です。
このヘモグロビンにブドウ糖が化学的に反応してヘモグロビンA1cに変化します。
ヘモグロビンA1cの値(%)はヘモグロビンに占めるヘモグロビンA1cの割合(%)です。血糖値が高ければ高いほど、その割合(%)が高くなります。赤血球の寿命が120日なので、ヘモグロビンA1cは6~8週間前の血糖値の平均に最も比例します。
直前直後の食事の影響は受けず、採血前1~2ヶ月の血糖値の平均が高ければ、HbA1cの値は高くなります。
75gOGTT (75g経口ブドウ糖負荷試験)
ブドウ糖負荷試験とは、1~2回の血糖値やHbA1cで糖尿病か正常か判断がつかない人に対し詳しく調べる検査です。
日本には、早朝空腹時血糖よりも食後血糖が上昇する方が多くいらっしゃいます。空腹時血糖が低いのにHbA1cの値が基準値前後の方は、この75gOGTTで糖尿病診断の重要な判断材料にします。
検査方法
検査当日の朝まで10時間以上絶食した状況で血糖値、血中インスリンと尿糖を測定します。次に、ブドウ糖を75g飲んでいただき、30分後、1時間後、2時間後に血糖値、血中インスリンと尿糖を測定します。
尿検査:尿ケトン体
糖尿病が悪化すると、インスリンの分泌量が極度に減って、ブドウ糖をエネルギーとして使えなくなってしまいます。
その時には、脂肪をエネルギーとして使うようになりますが、脂肪が分解したものが「ケトン体」です。
ケトン体自体が強力な酸であること、ケトン体が出るほどインスリン量が減っていることから、糖尿病の管理には大事な指標になります。
血糖値が高いときにケトン体が強陽性であるときは、上記の状態を示しているため、緊急入院も含めた早急な治療が必要です。
ダイエットをしている人で、血糖値が正常でケトン体が陽性であるということは、脂肪が分解しているということなので、ダイエットが効いているということを示しています。
皮下連続式グルコース測定
アボット社のリブレ2センサーを上腕につけると14日間のグルコース値の変動を見ることができます。
医院でリブレ2センサーを装着し、リーダーを8時間に1回以上スキャンすると1日のグルコース値がリーダーに取り込まれます。
8時間前からのグルコール値の変動とその時のグルコース値をその場で確認することができます。
この検査は、インスリン治療の方はもちろん、内服治療の方でも血糖値が不安定な方、低血糖をよく起こす方、夜間に低血糖を起こしていないか心配な方、高血糖によくなってしまう方、なかなか血糖値が改善せずによい治療を探している方などが受けることができます。検査費用は3割負担の方で4,020円です。
リブレ2センサーを装着した状態で30分以内でしたら入浴していただくことも可能ですし、通常の日常生活を送っていただきます。ただし、MRI検査、レントゲン検査ではリブレ2センサーを外さなければなりませんので、それらの検査が予定されているときにはこの検査は受けないでください。
次の来院時にリーダーからデータを取り出してその結果で治療法を考えましょう。
真向かいにひとみ眼科があります。
糖尿病性網膜症など、糖尿病にかかわる眼の病気・合併症に関しては、そちらで専門的な検査をしていただけます。
当院で行うことができるその他の検査
超音波で血管のつまり具合を診たり、血管年齢を測ったりすることで、動脈硬化の状態がわかります。
また心電図で狭心症や心筋梗塞の状態を把握することができます。
その他、糖尿病の合併症の有無や予防のための検査を中心に行っています。
- 腹部超音波
- 頸動脈超音波
- 胸部レントゲン
- 骨密度
- 心電図
- CVRR(心電図R-R間隔変動係数)
- ホルター心電図
- ABI:血圧脈波検査
- CAVI(心臓足首血管指数):血管年齢検査
- 睡眠時無呼吸症候群 簡易検査