血糖値スパイクとは食後に血糖値が急に上がることをいいますが、「血糖値スパイク」ということばは学術用語(正式名称)ではありません。学術的には食後高血糖と呼ばれています。

α(アルファ)グルコシダーゼ阻害薬:1日3回食事の直前に内服します。糖分の吸収を緩やかにして食後の血糖値の上昇を抑えます。ボグリボース、アカルボース、ミグリトールがあります。副反応としては、腹部膨満感、放屁、便秘、下痢、肝機能障害などがあります。腹部の手術を受けられた方は腸閉塞になることがあるため避けるのが無難です。

速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬):1日3回食事の直前に内服します。内服後15~30分でインスリン分泌を高めます。効果は3~4時間で続く程度です。このため、食後の血糖値を下げることができます。副反応としては、低血糖が起こりえます。腹痛や下痢などの消化器症状などもでることがあります。ミチグリニド、レパグリニド、ナテグリニドがあります。

DPP‐4阻害薬:1日1回~2回内服します。週1回内服製剤もあります。腸から分泌されるインクレチン(GLP-1とGIP)がDPP-4という酵素によって分解されるのを抑えることにより、血液中のインクレチンの濃度を挙げます。インクレチンが増えるとグルカゴン(血糖値を上げる)の分泌が抑えられ、インスリンが増えて食後の血糖値が抑えられます。このインクレチンの作用は血糖値が正常よりも高いときのみ発揮されるため、インスリン注射やSU薬、速効型インスリン分泌促進薬などを使用していない場合は低血糖を引き起こすことは少ないです。1日1回:シタグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチン、サクサグリプチン、1日2回:ビルダグリプチン、アナグリプチン、週に1回:トレラグリプチン、オマリグリプチンがあります。

GLP-1受容体作動薬:DPP-4によって分解されないようにしたGLP‐1受容体に働く薬物です。GLP-1受容体に回:てグルカゴン(血糖値を上げる)の分泌が抑えられ、インスリンが増えて食後の血糖値が抑えられます。また、GLP-1受容体作動薬は胃内容物が胃から出ていくのを抑えて、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。食欲中枢に作用して食べたいという気持ちを抑え、満腹中枢に作用して満腹感を早く強く感じるようになります。胃への作用と相まって食後血糖値が抑えられ、体重も減少します。これまで、様々な薬剤が出てきましたが、現在では週1回か1日1回の注射が多く使われています。週1回:デュラグルチド、セマグルチド、1日1回:リラグルチド、リキセナチド、1日2回:エキセナチドがあります。

GIP/GLP-1受容体作動薬:DPP-4によって分解されないようにしたGIP受容体とGLP‐1受容体に働く薬物です。強い食後血糖抑制作用、食欲抑制作用、体重減少作用があります。現在では週1回製剤が発売されています。チルゼパチドがあります。