インスリンは1921年にバンティングとベストによって発見され、1922年から1型糖尿病の患者さんの治療に使われています。
非常に多くの改良を経て、現在では、様々なタイプのインスリンが人工的に製造されて、患者さんの治療に役立っています。
1型糖尿病の方は膵臓からインスリンがほとんど出ない状態になるため、インスリンを注射して血糖値を制御することが必要です。
インスリン注射をやめると、血糖値が上昇するとともに身体の脂肪分が分解して大量のケトン体ができて、糖尿病ケトアシドーシスという状態に陥ります。
非常に危険な状態で、入院で集中的な治療が必要となります。
2型糖尿病の方でも膵臓の働きが非常に悪くなると内服薬では血糖値をよい状態に保つことができなくなり、インスリン注射を用いなければならないことがあります。
また、普段は内服薬でよい血糖値になっている2型糖尿病の方も、手術前後、感染症、妊娠中など特殊な状況では一時的にインスリン治療が必要になることがあります。
インスリンは低血糖を起こしやすいため、患者さんが血糖値をモニターすることが一般的です。